木材の乾収縮:接線方向と半径方向、そして板の反りの原因
Wood Handbook 2021 式4-9の実際の挙動、平刈り板が反る理由、必要な仕上がり寸法に合わせた在庫計画の方法。
木材が収縮するのは繊維飽和点を下回ってから
繊維飽和点(FSP)はほとんどの樹種でMC約30%です(チークと真のマホガニーは22% — Wood Handbook 2021 表13-5 注b)。FSPを超える水分は細胞壁ではなく細胞腔にあり、寸法は変わりません。つまりMC 80%の伐採直後の材はMC 31%の材と同じ挙動を示し、まだ収縮しません。木材収縮 ツールは開始MCと終了MCを自動的にFSPにクランプします。「clamped(クランプ)」の表示が出た場合は開始MCがFSPを超えており、計算ではFSPとして扱われています。
接線方向は常に半径方向より大きい
接線方向の乾収縮(年輪を横切る方向=平刈り板の幅)は、半径方向の乾収縮(放射組織に沿う方向=平刈り板の厚さ)の通常1.5–2倍です。ホワイトオークでは生材→気乾で接線10.5%対半径5.6%(WH 表4-3/4-4)。ラバーウッドでは5.1%対2.3%。この異方性が反り(カッピング)、そり(ボウイング)、ねじれの根本原因です — 板の両面が異なる速度で収縮するためです。
生材からMC 8%までで幅は4–8%減る
幅250 mmのホワイトオーク板は、MC 30%(生材として扱う)から8%までで幅の約7.7%を失い、230.7 mmになります。幅200 mmのラバーウッド板では約3.7%減の192.6 mmです。カンナ掛け代(1面あたり2.4–3 mm)と鋸の切り幅(バンドソーで1.8–2.5 mm)は生材寸法にさらに上乗せされます — 合算計算は 荒取り寸法 を参照してください。
柾目・追柾目材はより均一に収縮する
柾目(クォーターソーン)材は断面の表に半径方向が来るため、断面の両寸法が半径方向の速度で収縮します — 反りは減りますが、生産コスト(切り幅の廃棄)が上がります。追柾目(リフトソーン)はその中間です。平坦さが求められる広い天板には、家具職人は柾目材に30–60%のプレミアムを払います。壁に隠れる建築構造用材なら平刈りで十分です。
製作時のMCは固定値ではなく使用環境のEMCに合わせる
MC 8%で製作した品をEMC 12%の気候へ送ると木材は膨らみ、EMC 6%の気候では収縮します。製作目標での1–2ポイントの差が、扉パネルや天板で目に見える形になります。まず仕向地の気候で 平衡含水率(EMC) ツールを実行し、そのEMCより1–2ポイント低いMCを目標に製作してください。木材は客先の部屋で平衡に向かって動くのであり、そこから離れて動くのではありません。